真夜中おやつ

音楽と紙と料理、そして猫が好きな人の日記。

シャムキャッツ!

やっとシャムキャッツのことを書くぜ書くんだぜ。

まずは好きになった経緯から。
最初は、名前だけ聞いてなーんか今っぽいとぼけたバンドなのかなー、くらいに思っていたし、You Tubeで見てもそう思っていました。
気をてらったような、それでいて奇抜というほどではなくオシャレな雰囲気もある、今の若者バンドだなぁと。
(わー、ごめんなさいごめんなさい。この後めちゃくちゃ褒めるから、まずは素直に思ったこと書かせて!)

 

なので、ちゃんと聴いてなかったんですよね。
でも、音楽において信頼できる年下の友人の口から何度か名前が出ていたので、なんとなく気になってアルバムを借りました。
で、聴いた感想。「うーん、いいかもね。でもなんかアクが強いかなー。20代前半なら好きになったかもなあ(当時すでに33)」と思い、リピートで聴くことはありませんでした。

それでも引っかかるものはあったので、しばらく経ってから再聴して、そのとき作業中でたまたまリピート再生してそのままにしてたんですよ。
そ!し!た!ら!
なにこれよくない?え、どう考えてもいいよね?すごいかっこいいじゃん、この曲がかな?いや、ちがう、全曲いいぞ!
…みたいな感じで、唐突にぐっときたんですね。それからはずっと聴いています。

これに関しては、自分が年をとったんだなあと思います。
若いころある程度いろいろな音楽を聴き、変に悟ったような気がしちゃってたんですよね。

それで、若くて勢いのあるバンドに関してはおなかいっぱいというか、あーはいはいわかりましたーみたいな気持ちが、言ってしまえば老人の懐古主義みたいなところが、無意識ながら自分にあったのだと思います。

そして、アクの強さを消化して本質を見る力が衰えていたのだと思います。

アクには旨みが含まれているというのに!



なんかめんどくさいこと書きましたが。

いいんですよ、若い人はそんなこと気にしなくて。老人のぼやきです。

普通に、聴いて感じたままに歌ったり踊ったり静かに頷いたりすればいいんです。ええ。

そんな経緯があったので、「シャムキャッツはこんなにいいのに、30代以降に受け入れられていないのではなかろうか?」という気持ちが拭えませんでした。
実際、アラフォーの友人にCDを貸したところ、私と同じ理由で聴けないと言っていたので。

しかーし!

AFTER HOURS が、出たのである。

私は、このアルバムはシャムキャッツの転機になるだけでなく、ファン層の広がりにもつながると信じています。
大人が聴いても疲れない、日常の風景を切り取ったかのようなアルバム。
ゆるいといえばゆるいけど、持ち味のファニーな感じもちゃんとある。ノスタルジックだけど湿っぽくない、色でいえばちょっとスモーキーなミントグリーン(MODELSのジャケットカラーまさに!)
ちなみに、私の中ではしけはビリジアンで、そこからだんだん明るいグリーンになってきているイメージ。
※どうでもいいけど、カタカナ連発しちゃってちょっとハズカシイ

シャムキャッツって、なんか変てこじゃないですか。
ジャンルもよくわかんないし、歌がうまいとか演奏がうまいとかじゃないし、かといって曲の良さだけじゃないし、変なカッコしてるし。

それこそが良さなのかなーとずっと思っていて、それははしけではぬらぬらと、GUMでは突き抜けて、たからじまではポップに色濃く表れていたと思います。

AFTER HOURSだと、ほのかに香るくらいの印象です。

今までのアルバムだと、音の骨組みと感情的なものの比率が3:7くらいの印象でしたが、これでは6:4くらい。と思う。

その代わり、彼らの音楽にそれまでほのかに香っていた郊外の空気感が今作では色濃く表れていると思います。

私は千葉県出身なので、この「郊外の空気」っていうのがピンとくるし好きなんですけど、今は長野に住んでいるので、聴いていると懐かしい気持ちになります。

 

余談ついでに書きますけど、シャムにはまり始めたのと浦安に住み始めたのがちょうど同時期で、勝手に運命的なものを感じてるんですよね。

好きになるべくしてなった…みたいな(笑)

あと、勝手に「もしかしたらメンバーのお母さんとすれちがってるかもしれない!」と思い、普段なら自転車で鼻歌うたっていることに気づいたら即フェードアウトさせるんですけど、シャムのときは聞こえるくらいの大きさで歌ったりしてました。

ものすごくバカっぽいですけど、もしお母さんが、ダイエーとかで息子の曲歌ってる人に遭遇したら嬉しいんじゃないかなーと思ったんです。。

 

さて、話を戻そう。

 

前作から菅原さんも曲を作っていますが、それも新しい力になってるんじゃないかと思います。

今作は1曲でしたが、夏目さん曲とはまた違う澄んだ感触があって、菅原さん曲が入ることでいい風が吹き込んできたというか。

勝手な想像ですが、もう一人ソングライターができたことで、アルバムを俯瞰するようなバランスをとるような力が強まったのではないかとも思います。

とにかく、期待してます。

 

2月にライブを見たときに、すでにAFTER HOURSの曲を数曲やっていて、少し違和感をおぼえたのが素直な気持ちです。

えっ?こんなに爽やかでいいの?みたいな。特にSUNDAYね。
でもアルバムで聴いたら本当によかった。どうよかったのか、説明なんかする必要ないくらいよかった。

なので、大人の皆さんで「いやー日本のインディーズバンドなんて今さらちょっと」なんて思ってる方々にこそ、聴いてほしいです。
ライブに行くのもいいと思います。
シャムキャッツ、ライブめちゃくちゃ楽しいので。

 

私もね、不安でしたよ…三十路も半ばで若者だらけのライブに一人で赴くのは。

でも始まったらそんな不安も吹き飛ばしてくれますよ。
私なんて、一人で行って踊りまくってるうちに大学生の友達できましたからね。

楽しんでる人間を笑うような野暮な人間は、小さなライブハウスにはほとんどいません。いても気にしなくていいんです。踊ってりゃ見えないし。

いかん、長すぎてわけわかんなくなってきた。

だって2年も書こう書こうと思って書けなかったんだもん!
ceroもそうでしたが、熱が高すぎるときは文章にできないですね。私はですけど、高熱のときはtwitterの方が向いている気がします。
というわけで、シャムのライブに関してはまた別記事で書きます。