真夜中おやつ

音楽と紙と料理、そして猫が好きな人の日記。

かこんでいるもの

そのものよりも、そのものを取り巻く空気が好き、ということに気づく。ことが最近多い。

いちばん思うのは、コーヒーよりも、コーヒーを愉しむ時間と空間ってこと。もちろん、コーヒーも大好きなんだけど。
野球よりも野球場。
鍋よりも湯気。

ちょっと違うけど、作品よりもその人が好きっていうアーティストさんも多い(これは本人にはとても失礼なことだと思うけど)
楳図かずおとか電気グル―ヴとかは完全にそう。

それで、最近思ったのは、私ほんとはそこまで本が好きじゃないのかなってこと。だって、本があるところがわりと無条件で好きだもの。
ほんとに本そのものが好きって人は、どういった本が売られているか、どんな価格帯で売られているか、によって好きじゃない本屋とかあるものね。
私だってそりゃ順位はあるけど、あんまり嫌いな店とかない。
本があるなあ!と思うとそれだけでわくわくするし、買わないどころか店内を見さえしないときでも、なんとなく本屋や本市の前を通るときはうれしい。図書館ももちろん好き。
私のそれは、本そのものよりも、本がある空気が好きなのかなぁと思ったのね。店にいるという意識が薄く、公園にいるときに近い感覚というか。

この前面接を受けたブックカフェは話を聞けば聞くほどオシャレカフェで、はっきり言ってしまえば本のチョイスは微妙(オシャレなもの、人気作家の作品、メジャーな感じのサブカルものが主)でカフェのメニューもあまりやる気がない。
でも、本とコーヒーが共にある場所で仕事できるっていうのはいいなあと思ったのよね。それで「いやだあー」とは思わなかった(「なんだかなあ」くらいには思ったけれど)

それは、私よりも本そのものを愛してるんだろうなあ、と思わす何人かのつぶやきから気づいたことなんだけど、自分としてはそれが悪くないなって思っているのでこのままでいいや。

浅いと言われればそれもそうだけど、空気や空間を好きでいられることは、贅沢なことであるとも思う。